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フィンテックによる金融サービスの多様化|求められるセキュリティとは

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フィンテックによる金融サービスの多様化|求められるセキュリティとは

金融業界では、最近「フィンテック」による業務の効率化や合理化が進んでいます。ニュースなどでよく耳にするようになったこの「フィンテック」という言葉ですが、どういう意味なのでしょうか。

本稿では、フィンテックの意味の解説から、世界、および日本でのフィンテックの動向、またその拡大に求められるセキュリティについてご紹介いたします。

フィンテックとは

フィンテックとは、金融を意味する「finance」と技術(主にIT技術)を意味する「technology」を合わせた造語で、IT技術を使って金融活動をより効率良く、かつスピーディに行うための取り組みです。

もともと、金融業では古くからITが活用されていました。銀行口座の管理や金融商品の管理、身近なところならATMなどは、金融業をIT技術で便利にしているものです。
しかし、フィンテックはこうした従来の金融業+ITにと留まらず、より新しい価値をITによって創造していくことを意味しています。

フィンテックの身近な例では、ATMに留まらず、ネットバンキングで自宅から口座振込や口座の状況確認を行ったり、金融商品の取引をインターネットで完結させるなどです。
こうした新しい取り組みは金融業の業績拡大に貢献しています。簡単にまとめると、フィンテックは「ITを使って金融業の拡大を図る」取り組みといえるでしょう。

世界でのフィンテックの動向

海外ではフィンテックの動きは非常に活発で、フィンテックを手がけるスタートアップ企業もたくさん起業しています。

世界的SIerのアクセンチュアが作成したレポートによると、2014年のフィンテック関連のベンチャー企業への投資額は世界で122億ドルに達しているとのことです。アメリカが圧倒的に多いものの、ヨーロッパでもイギリスを中心にフィンテックへの投資が盛んになっています。

アジアは、アメリカやヨーロッパには及ばないものの、急成長している状況に変わりはありません。中国の大手IT企業であるアリババグループのモバイル決済「AliPay」は2015年6月には4億人のユーザを抱えるまでに成長しています。海外の場合、キャッシュレス文化が日本より進んでいるという事情はありますが、それを差し引いても急成長の分野であることは間違いないでしょう。

日本でのフィンテックの動向

一方、日本でのフィンテックの広がりはどうでしょうか。日本の場合、古くから金融をITで管理してきた部分が足かせとなって、海外のように大きな広がりができていない印象はあります。過去のコンピュータ資産が膨大に存在し、それを現代風に改良することが難しいため、ITの最新技術を適用しにくいというわけです。

しかし、それでも確実に増加してきています。最近、よく耳にするようになったのが「電子決済」という言葉です。

Line株式会社の「LinePay」やPayPay株式会社の「PayPay」など、キャッシュレスでスマートフォン決済ができる仕組みがたくさん登場しています。どちらかというと、乱立ともいえる状況です。

こうしたキャッシュレスによる電子決済が乱立している事情は、ユーザの動向情報を大量に集め、ほかのサービスに活用していきたいという考えがベースにありますので、純粋なフィンテックとは少し違うかもしれませんが、金融+ITでの新サービスという意味では、フィンテックの一種といって良いでしょう。

また、ビットコインに代表される電子マネーも無視できない存在になっています。海外のビットコイン系の電子マネーは相場の乱高下が激しく、日本で通貨として利用するには危険性がありますが、メガバンク系が1コイン1円を保証する新たな電子マネーを提案するなど、この分野も今後活発な動きが予想されます。

このように、日本でもフィンテックの動きは日増しに大きくなっていると考えて良いでしょう。

フィンテックの拡大に求められるセキュリティ

従来、ITにセキュリティは不可欠なものです。これまでもITサービスについては再三、セキュリティの強化が叫ばれ、また実践されてきました。しかし、残念ながらセキュリティ事故は後を絶ちません。悪意のある第三者からの不正アクセスで個人情報が漏洩した、といったニュースを、私達はこれまで何回耳にしてきたことでしょうか。

フィンテックの場合、取り扱う情報が金融そのものであるため、万が一、こうしたセキュリティ事故が発生した場合、その被害は計り知れません。たとえば、1億円の送金が悪意のある第三者のなりすましにより奪われた、というセキュリティインシデントが発生した場合、それは現金輸送車が襲われて1億円を奪われたのと何の変わりもないわけです。

したがって、フィンテックの拡大に求められるセキュリティのレベルは、従来のITセキュリティのレベルよりはるかに高レベルにならざるを得ないと考えられます。万が一の事故の被害は金銭に直結し、また最悪の場合金融取引が大混乱に陥って停止する恐れすらあるからです。

フィンテックは拡大の一途だが、セキュリティ対策が要

本稿ではフィンテックの概要とその動向および求められるセキュリティについてご紹介しました。フィンテックはうまく使えば非常に便利なもので、私達の生活をより豊かにしてくれる新しい金融の仕組みづくりができる可能性を秘めています。反面、セキュリティ対策はこれまで以上に盤石なものが求められます。

今後、フィンテックの発展はセキュリティ技術の発展にかかっているといっても良いかもしれません。

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